うどんです。
私に本を読む楽しさや、Twitter、ブログ、そして自分を大切にすること、いろいろなことを教えてくれた、大切な本「書店ガール」がついに最終巻となりました。
最終巻は、これまで読者とともに歩んできた書店ガール4人それぞれの物語が描かれています。
みんな、幸せになってほしいなあ!!!
そして、今回ももれなくネタバレ必須ですので、本体を楽しみたい方はご注意ください。
書店ガール4人のそれぞれ
愛菜:中学教師としての本とのかかわり方
愛菜は、出身中学校の図書室司書として務める中、図書クラブの顧問もやっています。
この最終巻の中で一番白熱するのは、この図書クラブが文化祭の催し物として選んだビブリオバトル!
私もこの本を通して初めて知ったのですが、自分のおススメの本を5分で紹介し合うというもの。
図書クラブのみんなのビブリオバトルが面白すぎるの!!
この中学生たちがそれぞれ自分のおススメの本を紹介していく過程が本当に丁寧に描かれているのですが、もうこの箇所を読んだら、本当にその本が読みたくなっちゃいます。
最終的に、一番読みたくなった本を投票するんですけど、いやいや、全部投票したいし!ってなっちゃうやつです。
「書店ガール」は全作通して、面白い本や書店員がイベントで紹介する本がたくさん出てきて、「読みたいなあ」という気分になるのですが、
このビブリオバトルもまた、本の面白さを発見できる、とてもいい仕掛けです。
書店とは離れた場所ながらも、最終巻でこうして登場するほどに、作者の藍野さんもみんなにビブリオバトルを紹介したかったのではないかと推測しちゃいます。
ちなみに、ビブリオバトルについては、公式サイトもあるので、興味のある方はぜひ見てみて下さい。
彩加:地元に戻って新しい仕事を始めるということ
彩加はついに地元の静岡・沼津に帰ってきます。
高校時代の女友達とランチをして沼津の町を歩くのですが、女友達2人との間に微妙な温度差が…
そして、彩加は女友達から忠告を受けます。
東京に対してコンプレックスがある人たち、バリバリ自分の好きな仕事を突き進んでいるわけでもない人たちにとって、彩加の存在は強すぎて、彩加のちょっとした言葉にも敏感に反応してしまう…
これまで吉祥寺や守谷の書店員としてバリバリ働いていた彩加を「すごいな、えらいな」と思って眺めていた読者としては、彩加の意外な一面を見た、という気がします。
たしかに、実際に我が道を突き進んでいる人って、周りが見えていないところあるかも…。輝いているからこそ、注意しないとダメなんだろうね。
そして、地方で仕事をするときには、もうちょっと人間関係に気を配った方がいいことをアドバイスしてくれます。
たしかに、こういう厳しい言葉って、大人になるともう誰も言ってくれなくなりますよね。
そこをあえて言ってくれる友達の存在。
やっぱ、彩加は恵まれてるよ~!!
理子:この人にこそ一番幸せになってほしい…!のに…
そして、「書店ガール」第1巻のヒロイン、理子。
思えば、1巻からずっと理子を応援して、理子に支えられて救われて、ここまでやってきたのです。
読者も作者もみんな理子の幸せを願っているはず…!
なのに!なのに、今回の理子は、驚くほど辛そうです…
新興堂チェーンの東日本エリアマネージャーになってから、仙台の櫂文堂をずっと見守ってきた理子にとって、店の移転や、店の名前を失くすことを、管理職の立場として進めなければいけないのです。
ひそかに心を通わせてたと思っていた、沢村店長とも、共闘できる立場にありません。
むしろ、沢村は理子の立場を守るために、自ら先陣を切って動いている、そんな風にも感じられます。
最終的に、店は別の形で残ることになったけれど、失ったものもあるし、理子本人も左遷、降格を受けてしまうという結果。
そして、店長を、書店をやめるという沢村との恋も、結局は結び付かないのです。
とはいえ、博多へ異動になった理子自身、何かにふっきれた様子が次の「亜紀」の章で読み取れます。
年齢を重ねた女性が、組織の中で生きていくって本当に大変だよね…
理子には、書店ガールシリーズを通して、管理職の働き方を本当に丁寧に教えてもらった気がします。
(自分が管理職ってわけではないけど)
こういう、理子みたいな女性の視点が、やっぱり新しかったのかなあ、と再発見してみたり。
亜紀:子育て真っ最中での昇進
そして、理子がエリアマネージャーと兼任していた吉祥寺店の店長には、亜紀が配属されます。
亜紀の子どもも、もう年長さん。
はやい!!!はやすぎる~!!
これまで育児のために本部勤務だった亜紀も、現場に戻れるとあって、店長という責任ある立場ですが、快諾します。
何より、理子の推薦があった、ということもあります。
個人的には、年長よりその先小学校にあがってからが心配な気もするけどね
亜紀の章は、15ページととっても短いのですが、とっても前向きです。
現場に復帰した初日のやる気のみなぎる感じがさわやかでたまりません。
理子が登場して元気そうにしてるのも、嬉しいです。
現場に戻って、これからも色んなこと、大変なことだってたくさんあるんだろうけど、亜紀も理子も、みんな頑張って乗り切っていってくれそうな、そんな予感がする終わり方でした。
まとめ
ワーママというよりかは、「働き方」や「本の面白さ」をたくさん伝えてくれた「書店ガール」シリーズ。
私は、あとから自分の人生を振り返ったときに、この本との出会いのことを必ず思い出すと思います。
ワーママでなくても、人生の岐路にたっていなくても、本に関わる人たちの、直球の言葉たちは、必ずあなたの胸を熱くしてくれるはずです。
本当に、本当におススメのシリーズです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!