お久しぶりです。うどんです。
書店ガール第4巻をやっと読み終えました。
最近、仕事のストレスが大きくて、なかなか通勤時間中も読書する気になれなかったのですが、
先日友だちの結婚式で関西に1人で日帰りしたおかげで、一気に読み進められました。
さて、書店ガールの第4巻は、今までの亜紀や理子はほとんど表に出てこずに、若手バイトの愛菜と別の書店で契約社員として働く彩加が主役。
就活を通して、仕事への思いや、生き方がつづられています。
え?子育て小説じゃなくない?
それが、なぜか大丈夫なんです!!
なにが大丈夫なのか、自分でも言い切ってしまっていいかわかりませんが、さっそく本題に入っていきましょう~。
*今回もネタバレ必至ですので、ご注意下さい。
書店ガール 4は就活小説!
書店ガール1~3をチェック!
書店ガール、まぎれもない子育て小説ですよ!そこは本当です。
確認したい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
本が大好き!でも、出版業界は斜陽産業…この感覚知ってる!
主人公の愛菜は、新興堂書店の亜紀に憧れて、書店のアルバイトをはじめ、書店員としての仕事の喜びを覚えながら、一生懸命働いていた。
とはいえ、これから始まる就職活動で、本屋や出版業界を希望業界とするのは、ためらってしまう。
出版業界が斜陽産業で、働き方もブラックだということは自分でも理解していたし、大学の友人たちからも、同じように言われ「あり得ない」選択肢だったから。
…
実は、前にも書いたのですが、うどん自身も書店併設のCD屋でアルバイトをしていました。
もう10年以上前ですが、すでにCD屋も斜陽…
めちゃくちゃ楽しいバイトでしたが、たった1人の社員である店長のブラック状況は目に余るものがあったし、書店でもCD屋でも自分の就職先として考えてはいけない、くらいの空気感がありました。
「わざわざいい大学に通ってまで、なんでそんなとこ就職するんだ?」みたいな空気感、周り全体にもあったし、家族にもあった。
自分の好きなことを好きなようにやりたい、なんて到底言い出せなかった。
結果、自分は就職より研究を選んで、学生で居続けて、今にいたる。
だからこそ、この主人公、愛菜ちゃんが悩みに悩む部分も理解できるし、最終的に出版業界を志すと決めたのは、ものすごく尊敬する。うらやましい。
なかなか決められることではない。
仕事先にしたいほど好きなことに巡り合える人生ほど幸せなものはない。
自分の働き方に悩む彩加の気持ちは、子育てワーママにも似ている
もう一人の主人公、彩加は、契約社員でありながらも正社員への昇進、さらには新店舗の店長を任されるという話がやってくる。
しかし、その店舗というのは、吉祥寺から少し離れた取手市の駅ナカの小規模店舗だ。社員は1人。
同時に、地元の静岡沼津で叔母が1人で営んでいる町の本屋さんを継がないか、という話も同時に舞い込んでくる。
見知らぬ土地で、1人でやりたいこともろくにできずに孤軍奮闘しなければならない正社員と、田舎で大好きだった本屋を継ぐ件の間で揺れながら、彩加もなぜ自分は本屋として働くのか、深く深く考える。
この働き方の悩みって、子育て中のワーママにも似てるよね?
彩加はまだ若くて、全然ワーママでもママでもないんだけど、ワーママと同じくらい、人生の岐路に立たされている。
「この仕事、続けたいの?」「この仕事を続ける意味ってなに?」「本当に自分がしたかったことってこういうこと?」
ワーママも子育てによって、かなりの制限を受け、仕事にも制限が生じて、やりたいことができなくなる、思い通りにいかない場面に必ずぶち当たる。
もちろん、自分で解決できる人もいるけれど、多くの人は数少ない選択肢の中で妥協しながら、無理のない範囲で、落ち着いていく。
彩加の場合、叔母の店を譲るというのは、実は母親の勘違いで、叔母の店の改装について相談を受けた、という内容だったり、さらには、新店舗についても上司が彩加の不安を払拭するようなことを教えてくれて、彩加をしっかりサポートしてくれる。
彩加は彩加で、正社員兼新店舗店長の話を決心するには、相当の覚悟が必要だったのに、ちゃんと決めてえらい。
悩める愛菜にきっかけを与えたのはママだった
さて、就活で悩む愛菜も、いよいよ悩みが深くなってくると母親に相談する。
愛菜ママは、なんというか理想だ。
愛菜がいい子に育ったのも理解できる。
あまり苦労せず就職して、結婚して仕事をやめて専業主婦の道を当然として選んだ愛菜ママ。
読書大好きママは、かつて出会った本を愛菜に紹介する。
こういうママ、自分がなれたら本当にサイコーだなー!
愛菜ママは、自分の価値観を押しつけず、また当時の自分を否定することもなく、ただ、当時の自分がどう考えて、本を読んで、感じたこと、自分の生き方に納得したことを伝えるだけです。
かつて親にあーだこーだ言われてイヤだった世代、じゃあ子どもにどうやって大切なことを伝えるのか。
それって、現代のママパパにとって大問題だと思うのですが、愛菜ママの伝え方は、とっても勉強になります。
自分だって、親が好きな本や映画、好きな音楽を持っていて、それを楽しんでる姿とか、どう感じてるとかって話をした時はすごく嬉しかった。
親の内面を知ることができるのは、なんでかわからないけど、喜びだった。
この本で共感できた言葉たち
「よき批判者を持つことは、仕事をスキルアップするうえではとても大事」
叔母の店をブックカフェにしてはどうかと提案してきた、隣の店主、大田が、自分の店の新商品のトルコ菓子を彩加に試食してもらったときの感想。
「トルコの人たちはじぶんの感情にもっと正直ですよ。それに相手をやっつけるためじゃなく、相手のために批判することをおそれない」
実は、この部分を読んでいたとき、ちょうど地元の友達の結婚式のために、日帰りで関西まで帰っていたとき(詳細はnoteにも)。
関西の友達にいじられたり、こっちも遠慮なくズバズバもの言えるのって、やっぱり愛があるから。
自分のやってることをめちゃくちゃツッコまれて、自分なりの考えで応戦して、相手も納得すればすごく応援してくれるし、逆のときには、どれだけ自分が甘かったか気づかされる。
こういう関係の友達がいるっていうのは、すごく幸せなことだった。
「自信?そんなものはないよ」
愛菜と彩加がランチをしながら、彩加の決意を聞いたときに、愛菜が彩加をうらやましがる。
「自信なんて、最初は誰も持っていないよ。だけど、一生懸命あがいていれば、だんだん自分が見えてくる。これならできる、ということが増えてくる。それが積み重なって、自信っていうものになっていくんだよ」
ちょっと、彩加いくつだっけ??達観しすぎ!!
でも、これはとても心に響く。自信がなくても、前に進めばいいのだ。
とてもシンプルで励まされる。
「女優になったつもりで、求められる就活生の役を演じればよかった」
愛菜が、亜紀に就活について聞いてみたら、実は亜紀は面接で落とされまくったという。
「面接で大事なのは、自分を正直に見せることじゃない。その場で何が求められているかを察知して、臨機応変に対応すること。仕事の現場では大事なことだからね。それができる人間かどうかってことを面接官は見ているのよ」
これを知っていれば、就活時にどれだけ役に立って、どれだけ心救われただろう。
毎日、バカ正直に自分をよく見せようと努力して(大事だったと思うけど)、自分の経験のなさを嘆いて、お祈りメールに涙していた自分に教えてあげたい。
女優になればよかったのか…!
まとめ
ここまで読んでお判りでしょうが、やはり就活小説でしたね汗
まあ、深いことは気にしなくていいんです。
でも、ワーママであれ誰であれ、心に響く内容なはずです。
就活はすでに終えられた皆さんも、子どもが就活に苦しむかもしれない将来、どんな言葉をかけてあげるのか、自分だったらどんな風に言ってほしかったのか、考えることもあると思います。
そんなとき、ぜひこの一冊を手に取って下さい。
就活生へ向けた、優しさにあふれた書籍のラインナップもあります(全部読みたい!!)。
ほんとに、おススメの一冊です。
それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました。