【子育て小説レビュー⑫】垣谷美雨「夫の墓には入りません」で旦那の死後の生活を考えてみる

手を繋ぐカップル レビュー

こんにちは!うどんです。

今回も垣谷美雨さんの小説です。もう、大好きですよね!垣谷美雨さん、完全にハマってます。制覇したいと思っているので、お付き合いよろしく頼みます!

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今回ご紹介する「夫の墓にははいりません」は、「嫁をやめる日」として出版されたものを改題して2019年1月に新たに出版されたものです。

柿谷さんの著書はもはや「女性の生き方教科書」!
今回も、人生に役立つ情報満載!
しっかり勉強しましょ〜

そして、今回も例にもれずネタバレしています。ご注意ください!

旦那が死んだあとの女性の生き方とは

旦那の死後の心配事① お金のこと

主人公の夏葉子は、40代半ばで夫を亡くしてしまいます。
夏葉子自身もパートで働いているとはいえ、やはり一家の大黒柱である働き手がいなくなるのは、とてつもなく不安でたまらなくなりそうです。

ただし、夏葉子にはラッキーなポイントがいくつかありました。

まず、子どもがいなかったこと。

そして、家の住宅ローンはすべて夫名義にしていたこと。

さらに、遺産はすべて夏葉子自身が受け取れること。

子どもがいない分、生活費や教育費のことを考えずに済むというのは、実際めちゃくちゃ大きいですよね。
実際に、乳幼児〜小学生くらいの子どもがいたら、「シングルマザー」として、考えるべきことは格段に増えます。

さらに、住宅ローンをすべて夫名義にして団体信用生命保険に加入していたため、夫の死によってローンはすべてチャラになります。

これは、夏葉子の友だちの千亜希が素直に「うらやましかー」と発言したとおり、本当にうらやましく思う主婦は多いのではないでしょうか。
前回の、「ニュータウンは黄昏れて」を思い出してしまいます。

また、もう1つのラッキーポイントは、100%相続できた点です。

子どもがいない場合、夫の親、つまり義父母にも相続権はあるのですが、
地元の名家である義実家は、当然のごとく相続を断ります。

さらに、葬儀費用やその采配、お墓、仏壇の準備、士業の方への依頼まで、すべて義実家が担ってくれるのです。

ほうっておくと、このあたりの費用だけでも主婦の貯金なんて、軽く吹っ飛ぶのよ〜!
夏葉子さん、ラッキーすぎる!!

旦那の死後の心配事② 義実家のこと

お金のことでも心配なく、さらにとても優しく気遣ってくれる義両親なのですが、
夫の死後、その関係性は徐々に変わっていきます。

「夏葉子さんが若くなくてよかった」

なんて、どれだけ近い親戚でも言われたら気分が悪すぎです。

というか、仮に夫がずっと生きていたとしても、義両親がさらに年老いた時の介護や、
引きこもり状態の義姉の将来の世話を息子夫婦に任せるつもりなのが間違いなんです。

いや、もちろん少し前まで当たり前のことだったし、今でも「老後は子どもに頼る」感覚の人はたくさんいますが、

それがいかに酷なことなのか、子どもを持つ親は必ず考えておく方がよいはずです。

自分とさほど年齢の変わらない義姉に何かあったときに世話するなんて、想像しただけでもツラミ!!

というか、義母が勝手に家の鍵を開けて入ってくるの、やっぱり変じゃないですか?

この鍵問題、どこでもあって、私も母と祖母の間でも問題だったし、我が家でもやっぱり義母に鍵持たせてるんですよ。

義母に鍵もたせる意味ってなに?
1年に1−2回家に来るときに、鍵がないと家に入れないかもしれないから?(旦那談)
でも、結局毎回駅までお迎え行ってるじゃん。旦那不在時も「迎えに行ってあげて」とか言うじゃん。
義母が帰る時に使ってもらう?
うちらが出勤するときに一緒に朝の7時半に出てもらえばいいじゃん!むしろその日だけ郵便受けに返却でいいじゃん!(心の声)

他人にムダに鍵を渡すと、むしろ泥棒などの被害にあったときに容疑をかけないといけなくなるので、信頼関係のためにも鍵を渡すのはやめましょう。

そして、うどんが義両親の一番イヤなところは、夏葉子のパート仕事を馬鹿にしているところです。外で働いたこともない義母なんかに「誰にでもできること」なんて言われたら、その場で縁切りしたくなります。

どんな仕事をしていても、「嫁の仕事」= 馬鹿にしていい って思ってる人はめちゃくちゃ多いかもね。
割とみんな潜在的にモラだよ。

頼れる人はやっぱり大事

そんなこんなで、かなりストレスがかかっている夏葉子なのですが、そんなときに実家に電話します。

普段は妹のことばかり気にかける母親に伝えたつもりが、実は電話の相手は父親。

で、その父親がめっちゃくちゃ、びっくりするくらい力になってくれます。

いくつになっても、娘は娘。

義実家へもきっちり話をしてくれます。

頼れる親がいるって、いいなあ。羨ましい…
親を亡くしていると、それもかなわない…
親が毒親でも、やっぱりかなわないから、
せめて話を聞いてくれる友だちや、相談できるサービスを知っておくといいかも。

「つぶしてもいい人間」になってる? 

この本の中で、一番衝撃だった言葉が、父親が夏葉子のことを

「夏葉子はつぶしてもいい人間なんだよ」

と言ったことです。

夏葉子は小さいときからしっかりしていた。花純みたいにわがままも言わなかった。おとなしいが芯は強い。そのうえ相手の気持ちを優先するし誠実とくれば、誰だって頼りたくなる。つまり夏葉子は信用に足る人間だ」

これ、すっごい褒め言葉だし、現にこんな風に周りに思われているタイプのワーママって多いのではないでしょうか。

でも、これだといわゆる「庇護の対象」にはならないんですって。便利屋のように扱われて、軽く見られて。

会社でも、なぜか自分ひとりに仕事が集中してしまう。

身に覚えがありすぎる〜!!!

共働きのワーママなんて、下手したら、職場でも家でも、「つぶしてもいい人間」になっている可能性があります。

けっこう難しいんですよね。「しっかりしている」人にとって、頼られて信頼されている状態って、やっぱり気持ちがいいですもん。

でも、それで自分の、自分のための人生が送れなくなるくらいなら、やっぱり頼ってくる人は切ってもいいんだと思います。

夏葉子も、義実家とは事実上「姻族関係終了届」を出したことで、縁は切れたのだが、
最終的には狭い町の中で、まったくの無縁ではなく、適当な距離で付き合っていく決意をします。

「自分で距離を作れる」ようになるのが、一番いいですよね。

めちゃくちゃ高度な能力だけどね!

まとめ

柿谷美雨さんの「夫の墓には入りません」のレビューでした。夫を亡くしたあとに女性が気を付けるべきことなど、大事なことがたくさん描かれていました。

たくさんネタバレもしていますが、本の中では恋愛ネタなど、もっと色んな要素が描かれていて、かなり気持ちがグラグラ揺れ動きます。

ぜひ、一度手にとって読んでみて下さい!

最後まで読んでもらって、ありがとうございました!